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ハリソン内科学書 原著第15

Part 5 栄養肥満

 

p488

BMI>30 肥満 Obesity

25<BMI<30 過体重 overweight

p489

食欲は 脳の視床下部に統合されるさまざまな因子によって影響を受ける。

食欲の最終的な発現には、心理的および文化的な要素も役割を演じているように思われる。

 

p490

基礎代謝率が一日のエネルギー消費の約70%を占め、活発な身体活動によるもは5-10%にすぎない。したがって、毎日のエネルギー消費の大部分は一定である。

 

Part 5 栄養 p494

<食餌療法>

摂取カロリーの制限は肥満治療の基本である。目標はエネルギー消費よりも常にエネルギー摂取を減らすことである。

特殊な流行ダイエット食品の有効性を示すような科学的な証拠はない。

7500kcalの制限で、およそ1Kgの体重減少が達成できる。したがって、毎日100kcal少なく摂取摂取すれば、1年間で体重が5Kg減少し、また 1日あたり1000kcal少なく摂取するようにすれば、1週間でおよそ1Kgの減量が達成できる。

食事制限で代謝率が低下するため、一定の治療食を続けた場合、体重減少の速度は次第に鈍ることになる。完全な絶食、あるいは600kcal/日未満の制限食による最初の1週間の体重減少は、おもにナトリウム排泄の増加と体液の喪失によるものである。

超低カロリー食 very low calorie diet(400600kcal/日)は広く用いられている。1970年代に流行した液状蛋白質ダイエットは、60人をこえる死者をだし、安全でないことが証明された。臨床調査の結果、蛋白質の品質が低いことと、ビタミン、ミネラル、微量元素の不足による致死的不整脈の発生が実証された。これらのタイプの食事療法は、現在では十分は修正がなされている。一日あたり45~70gの高品質の蛋白質、30~50gの炭水化物、約2gの脂肪、ビタミン、ミネラル、および微量元素からなる超低カロリー食は、医療監視下の患者にとっては安全であると思われる。しかうし標準体重の130%を超える者でない限り、このような食事療法ははじめるべきではない。妊婦、担癌患者、最近心筋梗塞を起こしたもの、脳血管疾患、肝疾患、あるいは未治療の精神神経疾患の患者には禁忌である。インスリンや経口薬で治療を受けている糖尿病患者に用いるときには、周到な管理が必要であり、糖尿病治療との調節が必要となるかもしれない。可能なときにはいつでも、食事療法と併用して運動療法や行動修正を行うべきである。

超低カロリー食には、制限が少ない治療食よりも速やかに体重減少が得られるという利点ばかりでなく、ケトン体の産生によって空腹が抑制される可能性があるという効用もある。超低カロリー食療法を受けている患者では、血圧、血糖、コレステロール、およびトリグリセライドレベルが低下し、呼吸機能や運動能力が改善する。睡眠時無呼吸は数週間以内に改善する。超低カロリー食の合併症は通常軽度であり、倦怠感、便秘あるいは下痢、皮膚の乾燥、脱毛、無月経、起立性めまい および集中困難などがある。治療食療法がむちゃ食いによって中断されると、胆石症や膵炎が起こるおそれがある。実際に胆石は治療食療法を受けている患者のおよそ25に発生することが示されている。

1800kcalを超える低カロリー食 low calorie dietは大部分の患者に適応があり、超低カロリー食よりは制限は少ない。体重減少の促進のためにはいずれの治療食が望ましいかという点については、議論のあるところである。広く推奨されているにもかかわらず、超低脂肪食の効果はあまり大きなものではないが、肥満の抑制効果は別としても、低脂肪食は健康には有益であろう。果物、野菜、全粒穀物を多く含んだ治療食が、低体重を促進する場合がある。一方、脂肪の代わりに単純な炭水化物を大量に含んでいる低脂肪食は、肥満を促進するおそれがある。インスリンの分泌を最小限に抑える目的で、単純な炭水化物を蛋白質に置き換えた治療食を推奨する人もいるが、全体的なカロリーの削減は別として、この方法の有効性は今だ不明である。

 

<運動療法>

運動は肥満治療への全体的なアプローチの重要な要素である。運動療法の効果として最も明確なのは、エネルギー消費の増加である。肥満に対する単独療法としての運動療法の効果を実証することは困難である。一方、運動療法は食事療法の効果を持続させるために有効な手段であると思われる

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